「まどマギ」さやかはなぜ魔女になってしまったのか

「まどマギ(魔法少女まどか☆マギカ)」は、魔法少女たちが魔女と戦う物語…ではありますが、それ以外の部分にスポットが当てられていることが多い作品です。
魔法少女になるまでの過程や魔法少女になってからの苦悩や絶望など、少女たちの心の部分が描かれた作品になっています。
本記事では最も印象深かったさやかの魔女化について書いていきます。
美樹さやかがキュウべぇと契約をした理由

以前同行した巴マミの魔女退治で、マミが敗北してしまい帰らぬ人になってしまったことはまどかとさやかの心に大きな恐怖を与えました。
マミの最期を目の当たりにしたまどかとさやかは、魔法少女になる決意を挫かれ悲しみに明け暮れます。
ですが、数日後にはさやかはキュウべぇと契約し、魔法少女になる道を選ぶことになるんです。
マミのような最期を迎えるかもしれないという恐怖よりも、魔法少女になってでも叶えたい願い事の方がさやかには大きかったのです。
さかやには好きな人がいました。
幼馴染の上条恭介は腕のケガが原因で入院していますが、医師からは「もう手は動かない」と言われ夢だったバイオリニストを諦めなければならない状況にあります。
もうバイオリンをひけなくなって、生きがいをなくした恭介は自暴自棄になり、お見舞いに来たさやかにつらく当ってしまいます。
その時さやかは恭介の手を治すために魔法少女になることを決意し、キュウべぇと契約します。
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まどかと仁美を助ける

ある日友達の仁美がいつもと違う様子で夜の街を歩いているところをまどかが発見します。
話しかけても「これから良いところに行くんですの~」の一点張りで、心配になったまどかは仁美についていくのですが、廃ビルの中に集まった人たちは全員様子がおかしいことに気づきます。
集団で”あの世”へ行こうとしていると確信したまどかは全力で阻止しますが、魔女の結界に引き込まれてしまいます。
その時まどかを助けに現れた魔法少女はさやかでした。さやかは魔女を倒し、まどかと仁美の救出に成功します。
このとき初めてまどかはさやかが魔法少女になったことを知ります。
魔法少女のしくみ

恭介のケガを治し、親友を魔女から救い、さやかはとても前向きな気持ちでいっぱいでした。
魔法少女のしくみを知るまでは…。
さやかは魔法少女になったことで、考え方が180度ちがう魔法少女、佐倉杏子に目を付けられます。さやかが魔法少女になった理由や、戦う理由、すべてを否定されてさやかは怒りをあらわにします。
そして、2人で真剣勝負をするのですが…その時にさやかの魔力の源であるソウルジェムをまどかが放り投げてしまいます。
運良くトラックの荷台に乗ったソウルジェムは、どんどんさやかから離れていきます。すると急にさやかの意識がなくなり、倒れてしまいました。
それを見た杏子はさやかをつかみ上げ…
「こいつ死んでるぞ?!」
その場にいた全員が絶句している間、ほむらはいち早くさやかのソウルジェムを回収し、さやかの元へ戻します。
すると意識の無かったさやかが急に意識を取り戻し、何が起こっていたのか分からない様子できょとんとします。

「ソウルジェム」はその名の通り魂で、体はただの「器」というわけですね…
この件で、さやかと杏子の争いは落ち着き、怒りの矛先はキュウべぇに向いていきます。
ゾンビみたいな体になってしまったさやかは、今後思い描いていた恭介との未来が来ないことを知り、悲しみ、絶望します。
友達に好きな人を取られてしまう

魔法少女のしくみを知ってからのさやかは、一気にネガティブになっていきます。それに加えて更にさやかを追い詰める出来事が出てきます。
それは…友達の仁美が恭介に想いを寄せているということ。
仁美はさやかがずっと恭介に想いを寄せていることを知っていたので、先に告白する権利をさやかにゆずりますが、
魔法少女になり”ゾンビ”のような体になってしまったことを考えると、さやかには諦めるしか選択肢がありませんでした。

止められない妬みと嫉妬

結局さやかは恭介に気持ちを打ち明けることができず、仁美が恭介と付き合い始めます。
契約当初は「後悔なんてない!」と言ってたさやかですが、ここへきて後悔と妬みの気持ちが大きくなっていきます。
数日後、仲良さそうにしている仁美と恭介の姿を見つけ、さやかの心は壊れていきます。
このときのさやかの気持ちはきっとこうです。
一生治らないと医者に言われた怪我を、命を犠牲にしてまで治してあげたのは私なのに。
こんなことになるなら、あのとき仁美を助けるんじゃなかった。
このころから、杏子がさやかに優しくなり寄り添おうとしますが、さやかはこれを拒否。
杏子のように利己的に生きれたらさやかの運命は変わっていたのかなと思うと、最後の杏子の説得に耳をかたむけてほしかったと感じます。
さやかの身を案じる杏子ですが何をしたらいいのか分からず、さやかの隣に座り話を聞きます。
もう感情が抑えられないさやかのソウルジェムはどんどん黒く濁り、最終的に杏子の目の前で魔女になってしまいます。
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さやかが魔女になった瞬間、「魔女」が「魔法少女」の成れの果てだということを初めて知ることになります。

魔法少女のしくみを知らないままだったら、さやかは恭介に気持ちを伝えていたかな。
さやかはなぜ魔女になってしまったのか:まとめ
魔法少女になりたてのさやかはとても前向きな雰囲気でしたが、自分の体が「ゾンビ」になってしまった事を知ったあたりから色々と崩れてきたと思います。
さいごにキュウべぇの一言で終わりたいと思います。

この事実を伝えずに、少女たちと契約を結び魔法少女を生み出し続けるキュウべぇは「悪」としか思えませんね。